タリーズコーヒーでは、「貴重な品種から生み出されるおいしいコーヒーを後世に残したい」という思いから、各国の産地に深く入り込み、品質づくりに取り組んでいます。
その象徴ともいえるのが、ペルー・センフロカフェ農協と進めている「接ぎ木プロジェクト」です。原種に近い希少なコーヒーの品種を絶やさず未来へつなぐための挑戦は、2019年に始まり、6年を経て少しずつ形になってきました。
昨年(2024年)初めて商品としてお届けした「ペルー ティピカ100%」では、多くのお客様から“やさしく澄んだ甘み”や“繊細な酸味の美しさ”を評価いただきました。そして今年、タリーズコーヒーは再びこのプロジェクトから生まれたティピカ種をお届けします。
地球温暖化や病害の拡大など、コーヒーを取り巻く環境は年々厳しさを増しています。特に、ティピカ種のような原種に近い品種は、繊細で透明感のある味わいを生み出す一方、生産の難しさという課題を抱えています。
タリーズコーヒーは、生産者たちとともに「本当においしいコーヒー」を未来へ残すために、現地での試行錯誤を続けています。
品種ごとの特性を理解し、栽培から品質管理までを丁寧に積み重ねる。そこには、コーヒー生産者自身が“自分たちの作るコーヒーの価値”を再認識するという大切なプロセスがあります。
「実は世界中のコーヒー生産者の中でも、自分たちが作っている品種の味わいを知っているのはごく一部です。でも、どの品種がどんな味わいを生むのかを知ることが、生産者が自分たちのコーヒーを誇りを持って守り続ける力に繋がります。」(タリーズコーヒー ビーンズ開発担当・渡邊瑛子)
2019年より始動した「接ぎ木プロジェクト」は、ティピカ種・ゲイシャ種・タビ種の3つの品種でスタートしました。「接ぎ木」というのは、一口に言えば、異なる植物をつなぎ合わせる方法です。病虫害に強いロブスタ種を土台に接ぎ木を行い、安定して原種の特性を引き出す栽培を目指します。
初期は数百グラムの収穫に留まっていたティピカ種の木々も、今ではしっかりと根を張り、年々その実りを増やしてきました。このプロジェクトをタリーズコーヒーとともに進めるペルー・センフロカフェ農協では、今年も生産量の向上と品質安定の両立を目指しながら、現地での実験区画を維持しています。
「昨年(2024年)は初めてお客様のもとへ届けられたことが大きな一歩でした。今年は、より安定した収穫量と味わいのバランスを確認でき、プロジェクトが確実に前進していることを感じています。」(タリーズコーヒー ビーンズ開発担当・渡邊瑛子)
接ぎ木プロジェクトで収穫された「ペルー ティピカ100%」 は、ティピカ種ならではのさくらんぼのような優しい甘さとまろやかな風味が特徴です。さらに、標高の高いペルー北部ならではのすっきりとした後味と柔らかなコクが重なり、より完成度の高い味わいに仕上がりました。(※コーヒーマスター在籍店舗にて数量限定で発売)
一度きりの試みではなく、「続けていく」ことで見えてくる確かな成果。このコーヒーには、生産者とタリーズが積み重ねてきた6年分の努力と希望が詰まっています。
「ペルー ティピカ100%」は、コーヒーマスター在籍店舗にて数量限定で販売いたします。コーヒーマスターはタリーズコーヒーの社内資格を持つコーヒーの伝道師で、フェロー(従業員)の中でも特に豊富な知識と高い技術を備えています。
タリーズコーヒーでは、この「ペルー ティピカ100%」の味わいとともに、接ぎ木プロジェクトの意義や現地の生産者の想いもお伝えしていきたいと考えています。そこで、コーヒーマスターが産地のストーリーを語りながらご提供することで、1杯のコーヒーに込められた背景をより深く感じていただけます。
「このコーヒーをお客様と共有できることは、私たちにとって大きな喜びです。ペルーの生産者たちの努力とタリーズの想いが詰まった一杯を、ぜひ味わっていただきたいです。」(タリーズコーヒー ビーンズ開発担当・渡邊瑛子)
ペルー・センフロカフェ農協とともに進める接ぎ木プロジェクトは、これからも続きます。
次の季節にはどんな風に育ち、どんな香りを生み出すのか。その一杯を手にするお客様も、このストーリーの大切な一員です。