
タリーズコーヒーでは、コーヒーの楽しさや奥深さを体験できる「コーヒースクール」を全国の店舗で開催しています。
そのはじまりには、「コーヒーをもっと身近に楽しんでほしい」という想いがありました。
フェローがコーヒーと向き合い、その魅力をお客様へ伝えていく。
その過程で、コーヒーを知ることの面白さや、伝えることの楽しさが少しずつ広がっていきます。
タリーズのコーヒースクールは、小さな活動から始まりました。
「最初は自分が講師となり、ひとりでコーヒースクールを開催していました。
スーツケースにポットやケトル、コーヒー豆や抽出器具を入れて、全国の店舗を回っていたんです」と、当時を振り返る田代氏。
きっかけは、同僚との会話でした。
「タリーズの店舗で、コーヒーのことを紹介する機会をつくってみよう」
当時は、ハンドドリップを実演しながらコーヒーの楽しみ方を提案するスタイルは、まだ一般的ではありませんでした。だからこそ、美味しいだけではない「自分で淹れる楽しさ」も伝えたいと考えたのです。
自分で淹れた一杯は、味わいやアロマだけでなく、コーヒーを楽しむ時間そのものを豊かにしてくれる。
タリーズがきっかけとなり、ご家族や友だちともコーヒーを楽しむ人が増えていけば——。
そんな想いから、コーヒースクールはスタートしました。

コーヒースクールは2006年10月にスタート。
記念すべき第1回は、神奈川県の湘南モールFILL店でした。
開催の告知も自ら黒板に手描きで、当時は緊張しながらケトルを握り、お湯を注ぐ手が震えることもあったといいます。それでも、お客様の反応がその緊張をほどいていきました。

「味の違いや淹れ方を初めて知った、という方が多くて。新しい発見を喜んでくださる姿が印象的でした。『タリーズのコーヒーは本当に美味しいですね』と言っていただけるたことが、自信にもつながっていきました」
知らない同士が集まって、はじめは静かに始まるスクールも、次第に会話が生まれ、笑顔が広がっていく。その空気をつくっていたのは、何よりも美味しいコーヒーそのものでした。
2007年6月末までに、ひとりで開催した店舗は84店舗。
「楽しい思い出が多いですが、移動時に持ち歩く荷物が重かったのは大変でしたね」と、田代氏は笑います。
コーヒースクールを広げていく中で必要だったのが、専門性を持ってコーヒーを伝えられるフェローの存在でした。
そこで生まれたのが「コーヒーアドバイザー制度」です。
社内資格としてスタートし、その後、上位資格である「コーヒーマスター」が加わりました。
タリーズ全体で、コーヒーの知識と技術を高めていく仕組みが整っていきました。
フェローがコーヒーを深く学ぶことは、単なるスキルの習得だけではありません。
「コーヒーを知ることで、仕事がより楽しくなると思います。
知識と楽しみが増えることで、結果として人生も豊かになるのではないでしょうか」
コーヒーを知るほどに、
おすすめの仕方が変わり、会話が広がり、お客様との時間がより良いものになっていく。
そしてその積み重ねが、仕事そのものの楽しさへとつながっていきます。
コーヒーを提供する人から、伝える人へ。
その変化が、コーヒーの楽しさをさらに広げていきます。
かつては、ドリッパーやサイフォン、ネルといった抽出器具は喫茶店で使うものという印象が強く、家庭で豆から淹れる文化は今ほど一般的ではありませんでした。
しかしこの10〜15年で、抽出器具の種類やデザインは大きく進化し、コーヒーを“淹れること自体を楽しむ”人が増えてきました。
コーヒースクールに参加されたお客様にも、変化が見られます。
自宅でコーヒーを淹れるようになり、豆の違いに興味を持つ。産地ごとの特徴を知ることで、甘みや酸味といった味わいや香りを、より繊細に感じられるようになっていく。
コーヒーは、知るほどに楽しくなるものです。
タリーズの店舗では、常時10種類以上のコーヒー豆を取り揃えています。スクールをきっかけに、自分好みの一杯を見つけていただけたら嬉しいです。
タリーズのコーヒースクールが大切にしているのは「体験すること」です。
コーヒー知識やコーヒー豆の品質の良さをしっかり伝えながらも、難しくなりすぎないように。参加される皆様が一緒に楽しめる空気をつくることを大切にしています。「一緒にコーヒーを楽しみましょう」そのシンプルな想いが、スクールの根底にあります。「一緒にコーヒーを楽しみましょう」そのシンプルな想いが、スクールの根底にあります。
「タリーズが大切にしていることの土台づくりに関われたことは、とても良かったと感じています。これからも、コーヒーへのこだわりとコミュニティカフェという価値を大切にしながら、コーヒースクールを続けていきたいです。これを『美味しいコーヒーの世界への入り口』として、より多くの店舗で」

そう語る田代氏の言葉には、これからの広がりへの想いが込められていました。

コーヒーの楽しみ方は、人それぞれです。コーヒーとの接点は、何でもいい。自分らしい楽しみ方を見つけて、コーヒーとともに過ごす時間が、少しでも豊かなものになればと願っています。
コーヒー文化が広がり、選択肢が増えていく中でも、「やっぱりタリーズのコーヒーは落ち着く」——そんな存在であり続けること。
タリーズコーヒーはこれからも、一杯のコーヒーを通して心地よい時間を届けていきます。