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INTERVIEW 千葉七海さん(高校2年生)ホームステイ先:ニュージーランド / 横田あいさん(高校1年生)ホームステイ先:ニュージーランド

友達を1000人つくりたい!

まずは、ニュージーランドという国や、これから出会うホストファミリーについて、ふたりの話が弾みます。「南半球にあるニュージーランド。季節が日本と真逆であるってことにワクワクしてる。それに、ホストファミリーの家に子どもがいたら、一緒に遊んだりして、楽しいかなぁって」(横田さん)
「私は、自然が大好きだから、羊や動物とふれあいたいし、海や夜空を見るのが楽しみ。家には、猫とか、犬とか、動物がいたら楽しいだろうなぁ。大きい犬がいたら、自然の中で遊びたい」(千葉さん)
ニュージーランドでの暮らしを思い、想像が膨らむふたり。出発までにできることを考えているといいます。「まずは、もうちょっと英語に触れて過ごそうかなと思ってる」(横田さん)
「そうね。英語ももちろんだけど、日本のこと、地元のことを調べていきたい。私よりニュージーランドの人が日本のことを知ってい
たら恥ずかしいから。行くまでにいろいろ学びたい。それから、日本のアニメのことをもっと調べて、おすすめしたいね」(千葉さん)

「ニュージーランドの学生たちと、たくさんコミュニケーションを取りたい」「日本の文化を知ってほしいし、ニュージーランドの文化を教えてほしい」と、考えているふたり。横田さん、千葉さんを含む、10人のメンバーと一緒に、目標として掲げていることがあるそうです。
「友達1000人をつくろうプロジェクト。メンバーが10人いるから、1人100人の友達をつくれば、全員で1000人の友達ができるんじゃないかと思っています。友達の友達、そのまた友達と、仲良くなることができたら、きっと1000人だって夢じゃない」(横田さん)
そのためには、「誰にでも話しかけられる人になりたい」と、千葉さん。「英語を勉強して、フレンドリーになって…」と思いを語り合います。

震災の悲しいイメージだけでなく
そこから生まれた交流のことも知ってほしい。

向こうでこんなことをしようと盛り上がる横田さん、千葉さん。
そもそもは、なぜSOKに応募し、ニュージーランドに行こうと思ったのか伺いました。
「これからは、今まで以上に世界中の人とコミュニケーションをとる機会が増えると言われています。ですから、国際感覚を身につけたり、異文化に触れて理解を深めたりしたいと思っていました。それに日本で生活しているだけでは知り合えない人と出会えたら、楽しそうだなぁと。そんなふうに海外に対して興味があって、ホームステイのプログラムなどを探していたなかでSOKを知りました。
SOKの活動はただ海外に行くだけでなく、自分の震災の体験を話したり、地元の復興について考えることが含まれています。私は地元がすごく大好きなので、地元のことと海外のこと、両方学べるのが魅力的だなって思ったんです」(横田さん)

「実は、私は3回目の応募。1度目は中学1年生の時、2度目は中学2年生の時でした。
その時は、単純に留学したいという気持ちが強く、東北の復興と言っても、自分に何ができるのか、どう関わっていけるのか、あまりわかっていませんでした。でも高校に入り、将来の道が少しずつ見えてきて、自分自身がどんなふうに復興に関われるのか具体的なことが考えられるようになりました。それで、やっぱりこのプログラムは私に合っていると思って、再度応募したんです」(千葉さん)

そう語るふたりに、それぞれ地元について聞きました。
「私の住んでいる塩竈市には、鹽竈(しおがま)神社という大きな神社があります。ここで年に3回行なわれるお祭りの稚児行列に、5歳から12歳くらいまで参加していました。巫女さんの格好をして町を歩くのですが、所々ある休憩所に行くと、近所の家の人が『疲れたでしょう』ってお菓子や飲み物をくれて、またそれで頑張ろうって思うんです。今は行列に参加せず、見に出かけるだけですが、幼い頃にお祭りに参加して、町の人の愛情を感じてきたし、愛にあふれた町だなぁって思ってきました」(横田さん)
「私の地元も、とても温かい人が住む町で、小中学校の頃は、自転車で学校に行こうとすると、近所の人が『いってらっしゃーい』と声を掛けてくれたのをよく覚えています。いまは寮生活をしているのですが、たまに帰省すると母や祖母の手料理がおいしくて。帰ってきたーと、ホッとした気持ちになります」(千葉さん)

そんなふたりには、地元に対する共通の思いがありました。
「東北は、震災を経験しました。でも、被害を受けたという悲しいイメージだけでなく、こんなに頑張っている。こんなに元気なんだよという思いも、ニュージーランドの人に知ってほしいです」(横田さん)
「はい。震災は、確かに被害をもたらしたけれど、その後の被災地は悪いことばかりあったのではなく、地域と人との交流が増えるなどいいこともありました。被害を受けた者同士、皆で支え合っている姿を見たり体験したりしてきたので、そういうことも伝えたいって思います」(千葉さん)

ニュージーランドの経験を将来に活かしたい。

ふたりには、将来の夢があるといいます。

「子どもが大好きで、子どもに関わる仕事がしたいとずっと思っていました。今は、児童書や絵本の出版などに関われないかと考えています。子どものときに大好きだった本や、音楽などで、子どもを笑顔にしたり、何かを与えることができないかって思っているんです。
そのためには、まず私自身がいろいろな体験をしたいです。何も体験せず、ただ一本道でできた人生では、何も教えられないって思うし、たくさんのことを体験してきたからこそ、人に何かを与えることができると思うので。ニュージーランドでの体験もそのひとつとして、いろいろなことを学んできたいです」(横田さん)

「私は、たまたまテレビで観たドキュメンタリーで復興のために活躍する機械のことを知りました。そのとき、私もこういう機械がつくれるようになりたい、自分の技術力で復興を支えたいと思うようになり、高等専門学校に入学しました。
今の学校で学びたいことはたくさんあるのですが、ニュージーランドに行ってたくさんのものを見て、体験して、さらに自分の視野を広げることができたらいいなと思っています。そして、自分が将来何をしたいのか、明確に見つけたいと思っています」(千葉さん)

千葉さんの言葉を聞き、横田さんも続けます。
「私は、留学によって自分の殻を破りたいという思いがあって…。人見知りが激しくて、初対面の人と話すのが苦手だから、留学を経て、たくさんの人と関われるようになりたいです。そして復興アンバサダーとして、ニュージーランドの人と関わり、防災の意識を互いに高めあえたらと思います」(横田さん)
「震災を経験したニュージーランドの人と、ディスカッションをすることができて、お互いの町で行った防災や復興のための良い事例を見つけることができたら、これからの被害を一緒に減らすことができるかもしれない。そんな一歩になるといいなと思います」(千葉さん)