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REPORT 横田あいさん(大学2年生)留学先:ニュージーランド【2023年時点】

横田あいさんの帰国レポート

ニュージーランドでの研修を終え、帰国した横田さん。
ニュージーランドで経験したこと、実際に現地で感じたことをお伺いしました。
自分の殻を破りたい、という気持ちをもって臨んだニュージーランド研修。震災から復興した地元宮城を伝えるとともに、英語でのコミュニケーションが必要な人たちに自分から積極的に声をかけることを挑戦しました。

私は、以前から、海外に漠然とした興味がありました。また、宮城県という自分の地元が好きで、震災から復興が進んだ地元の元気な姿を伝えたいという思いから、中学生の時にSOKのホームステイプロジェクトに応募しました。新型コロナウイルスの影響で3年半ほどプログラムが延期になり、プログラム内容も今の研修メンバーの年齢に合ったものに変更になりました。日本とニュージーランドの未来について学んだり、企業訪問をさせていただいたりと、今回の研修は総じて将来に目を向けるものであったと思います。そして個人的にはたくさんの「できた」を感じられた研修でした。

今回のビッグイベントは、3日間かけて行われた日本ニュージーランド経済人会議に出席したことでした。この会議は、日本とニュージーランドのこれからに向けて、さまざまなテーマをもとに議論が行われるものです。日本やニュージーランドを代表するビジネスパーソンがたくさん列席される中、私たちはこれからを担う世代として、今回会議に参加する機会をいただきました。会議初日は立食パーティーが行われました。私は、人見知りをしてしまう性格のため、初対面の人がたくさん集まる場所で自分から積極的に話しかけに行くのが苦手です。立食パーティーで、他のNZ研修メンバーは自ら話しかけていましたが、私は自分からいろいろな人に声をかけることがあまりできませんでした。パーティー後、ホテルの部屋で「今回の研修はもうだめかもしれない」と一人とても落ち込みました。今思い返すと、この日壁にぶつかったことが、今回の研修のターニングポイントだったと思います。

落ち込むだけ落ち込んだ後「NZ研修も会議もまだ始まったばかりだし、明日からまたチャレンジすれば大丈夫!頑張るぞ!!」と自分に言い聞かせて寝ました。それ以降の研修で、同じく会議に参加したNZの同世代のメンバーと一緒に食事をしたり、企業訪問をしたりする場面がありました。その際、ここで自分から話しかけないと、またできなかったと落ち込むことになるぞ、自分に言い聞かせ積極的に話しかけることにチャレンジしました。一歩踏み出すのに勇気はいりますが、話しかけるといろいろなことを聞くことができ、達成感も得られました。

また、ニュージーランドという日本語の通じない土地で、自分の英語がどこまで通じるのか試してみたいという気持ちがありました。英語が得意というわけではありませんが、学校で学んできたことを生かして、会話を楽しめたらいいなという希望を抱いていました。経済人会議の2日目の夜、会議出席者で夜ご飯を食べたとき、メニューに「GF」や「VG」という表記がありました。同じテーブルで食べていたニュージーランドの人にこれは「どういう意味?」と聞くと、「GFはグルテンフリーを、VGはヴィーガンを意味しているんだよ」と教えてくれました。別日に訪れた他のニュージーランドの飲食店でも、メニューに同じような表記があり、さまざまな人に向けた食事への配慮があることを学びました。そして、このようなちょっとした会話でも、自分の言いたいことが伝わり、相手の言っていることが分かるということを実感でき、とても嬉しかったです。

また、現地の大学で日本語を学んでいる学生と交流する機会がありました。その学生たちは、日本のアニメや歌手などに興味を持つ人が多く、日本語や英語を交えて会話を楽しみました。これらの小さな会話の一つ一つが、「自分でも英語でコミュニケーションをとることができるんだ!」と自信につながりました。その一方で、他の場面での説明や会議の内容も日本語訳がなしでは理解が難しく、英語力の未熟さも痛感しました。英語に対する自信や知識不足な点は日本に持って帰ってきました。今は、英語をもっと話せるようになりたいというやる気に満ちています。

今回の研修は将来について考える機会が多かったです。私は現在大学2年生で、そろそろ自分の将来と真剣に向き合わなければいけません。自分に何ができるの分からず、将来に対してあまり希望を持つことが出来ていませんでした。しかしニュージーランドで、30歳を過ぎてから英語を学び、現在仕事に英語を使っている方や、大学在学中にやりたいことが変わり、学部を変えて学んでいる方、もとは一般企業に勤めていたが、現在ニュージーランドの法律事務所で働いている方など、色々な生き方をしている人に出会いました。そのような方々から話を聞き、人生にはさまざまな道があり、何かを始めるのに遅いということはないのだと強く感じました。また、多くの方々に「みんなは可能性を秘めている」と言っていただいたことがとても印象に残っています。あたたかい励ましの言葉をたくさんいただき、前向きな気持ちで、私も何かできるのではないかと思えるようになりました。今後はその気持ちを大切に、行動で示しながら自分の可能性を広げていきたいと考えています。

そして、私たちは復興アンバサダーとしてNZ研修に参加しました。3年前にみんなで一生懸命考えながら作ったプレゼンをやっとクライストチャーチ市長やニュージーランドの日本大使館などで発表することができました。震災プレゼンを通して、グループで伝えたいと考えていた、復興が進んだ東北の姿や、防災の大切さをニュージーランドの人たちにも届けられたと思います。また、どの場所でも皆さんが私たちのプレゼンに、うなずきながら熱心に耳を傾けてくださって嬉しかったです。「自分の殻を破る」という目標を掲げて臨んだNZ研修。壁にぶつかり、悔しい思いをしたことで、殻を少しは破れたように思います。今回の研修のみで、人見知りやネガティブ思考というものが完全に払拭された訳ではないのですが、自分も一歩踏み出せば色々できるんだという自信を持てたことが今回の研修の何よりのお土産です。ニュージーランドに行くことができて本当によかったです。人生で忘れられない一生モノの経験です。