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REPORT 千葉七海さん(大学3年生)留学先:ニュージーランド【2023年時点】

千葉七海さんの帰国レポート

ニュージーランドでの研修を終え、帰国した千葉さん。
ニュージーランドで経験したこと、実際に現地で感じたことをお伺いしました。
現在大学で学んでいる自然エネルギー(洋上風力発電)について、先進的なニュージーランドの状況を知ることや、自分の将来を考える中で何かヒントを見つけたい、そんな気持ちで渡航しました。

Support our kidsによる2023年11月17日から9日間のニュージーランド研修に参加しました。渡航前にニュージーランド大使館で行った出発式では、個人の目標を設定しました。現在、私は就職と大学院進学のどちらを選ぶかについて悩んでおり、人生の重要な分岐点に立っています。そこで、「自分の道を見つける」という目標を掲げました。この目標には多くの意味が込められており、特に「社会における自分の役割」と「ニュージーランドと日本の接点を見つける」という側面に焦点を当てました。「社会における自分の役割」は、将来的にどのように社会に貢献できるのかを考え、そのためには今何を学ぶべきかを見つけたいと考えました。

私はこの目標を達成できたと思っています。大学院進学と就職の選択に悩んでいましたが、どちらの道を選んだとしてもそれが正しい選択であるというよりも、選んだ環境でどれだけ頑張れるかが重要だと考えるようになりました。現地の法律事務所を訪れた際、30歳を超えてからニュージーランドで法学を学び、弁護士となった日本人の方からの話を聞き、何歳になっても自分のキャリアアップを怠らず、挑戦し続ける姿に感銘を受けました。私目標として掲げていた「自分の道」とは、まさにこの方のように、年齢を問わず自分のやりたいことに挑戦し続けることだと感じました。ニュージーランドの方々もさまざまなキャリアパスを歩んでおり、年齢に関係なく学び直すことが一般的なように感じられました。私も柔軟なキャリア形成を通じて、このような多様性を取り入れたいと考えています。

また、ニュージーランドとの接点については、同国が再生可能エネルギー分野でかなりの進展を遂げ、持続可能な社会の構築に向けてさまざまな取り組みが行われていることを認識しています。その中で、現在洋上風力発電の検討が進んでいるというお話を伺いました。ニュージーランドは風況が非常に良好であり、既に陸上の風力発電が盛んに行われています。私の専門分野である洋上風力発電においても、将来的な協力や共同研究が期待されることから、将来的には私も技術者として携われたらいいなと考えています。

今回の研修の主な目的であるIan Kennedyさんがニュージーランド側の委員長を務める日本ニュージーランド経済人会議への参加は非常に貴重であり、非常に有意義な時間を過ごすことができました。会議では、世代を超えた行動、林業、漁業、再生可能エネルギー、観光、イノベーションとデザインの6つの議題について、ニュージーランド側と日本側からそれぞれ数人が代表としてパネルディスカッションを行う形で開催されました。会議を通して、私が予想以上に日本とニュージーランドの共通点が多いことを感じ、経済的な交流が盛んに行われている印象を受けました。特に再生可能エネルギーとイノベーションとデザインの領域が印象的でした。再生可能エネルギーでは、水素とアンモニアの利活用に関するディスカッションが多く、水素製造業界や車業界、海運業界など、様々な業界の方がサステナビリティについてパネルディスカッションを行いました。

イノベーションとデザインでは、ARやVRなどに関する内容についてもパネルディスカッションがあり、映画産業が活発に行われているニュージーランドの高い技術力に感銘を受けました。VRとそれを用いたメタバースに関する質問をし、目標としていた会議内でのディスカッションを達成しました。また、再生可能エネルギーの関連企業との対話の機会もあり、私の専攻分野である洋上風力発電の可能性について再確認できました。

クライストチャーチPhil Mauger市長の表敬訪問と駐ニュージーランド日本大使館訪問の際に、震災プレゼンテーションを行いました。3年半前に作った震災プレゼンテーションの内容を現在の私たちの考え方に訂正し、今伝えたいことを付け加えました。3年前から準備していた震災プレゼンテーションを実際にお披露目するのは念願であったため、とてもうれしかったです。クライストチャーチ市長はとても朗らかな方で、同じくカンタベリー地震で震災を体験した経験から私たちのプレゼンテーションに真摯に耳を傾けてくださいました。駐ニュージーランドの日本大使、伊藤大使は、震災当時は異なる国に駐在していた経験から、私たちとは異なる視点からの震災の状況を詳細にお話しいただきました。その際、当時の国際的な反応が大きかったことを振り返り、日本だけでなく世界に衝撃を与えた災害であったことを再認識しました。

ニュージーランドの食べ物はどれも美味しく、特に感動したのはアイスクリームでした。日本のアイスクリームと比較して、ニュージーランドのものは脂質がかなり高いと言われていますが、その分濃厚でとっても美味しかったです。

あっという間の9日間のニュージーランド研修でしたが、数えきれないほどのことを学びました。その中でも私は人との出会いが最も得られたことだと感じています。Ian Kennedyさん、節子さん、Mia L H Evansさん、Lauraさん、現地でサポートしてくださった方、経済人会議でお会いした方、引率をしてくださったSatoko Kostuchiさん、そしてタリーズコーヒーさんをはじめとするSOKの支援者様。このニュージーランド研修に参加しなければ出会えなかった素敵な人に出会えたことが一番の宝物です。今回の研修で終わりではなく、学んだことは社会へ、次世代へ貢献していくという立場の自覚を持ち、SOKの活動も積極的に続けていきたいと思います。